あえて火災?バックファイアー消火とは!Xで山火事動画が話題に!

X(旧Twitter)でとある動画が話題になっています。
それはなんと、消防隊員が山火事の最中に、山に火をつけている様子を映したもの!
えっ!? 火を消すはずの消防隊員が火をつけてるの!?
見た人の中には
「これはフェイク動画では?」
「いや、人為的に火を広げてるんだ!」
なんて声もあって、かなり物議を醸しています。
でも、実はこれ、「バックファイアー(Backfire)」という、れっきとした消火技術なんです。
「火事なのに火をつける?」
「それって本当に安全なの?」
「結局火が広がってない?」
そんな疑問を持った人のために、今回はこのちょっとクセ強めな消火法「バックファイアー」について、わかりやすく・楽しく解説していきます!
バックファイアーとは? 〜火で火を制す〜
まず結論から言うと、バックファイアーとは山火事を“わざと”別方向からの火で迎え撃つ消火方法です。
もう少しやさしく説明すると…
🔥 火がどんどん山を燃やして広がっているときに、
🔥 その進行方向の前にある燃えやすい草木を、
🔥 あえて先に燃やしてしまう!
という作戦なんです。
なぜそんなことをするのかというと、すでに燃えた場所にはもう燃えるものがないから。
そうなると、後からやってきた本体の山火事は、燃料(草木)がないので止まるんですね。
つまり、
「あえて先に燃やして、火の道を断つ」という、まるで逆転の発想的なテクニックなんです。
バックファイアーって危険じゃないの?
ここが一番気になるポイントだと思います。
「逆に火が広がったらどうするの?」
「ただでさえ大変な火事なのに、さらに火を増やして大丈夫?」
という声も当然ありますよね。
結論から言えば、危険はゼロではありません。
だからこそ、訓練を受けた消防隊員だけが、気象・風・地形などあらゆる条件を考慮して慎重に実行しています。
例えば、風向きが急に変われば火が思わぬ方向に広がることもあります。
でも、それを計算に入れた上で、「この場所、このタイミングなら火をつけるべきだ」と判断する。まさにプロの仕事なんです。
バックファイアーは実際にどれくらい使われているの?
アメリカやカナダ、オーストラリアのような大規模な山火事が頻発する国では、バックファイアーは重要な消火手段のひとつとされています。
特にアメリカ西海岸の山火事では、消防局の公式戦略として何度も実施されています。
もちろん、すべてのケースで使えるわけではありません。
使い方を間違えれば火がコントロールできなくなることもありますが、正しく使えば、大火災を防ぐ「最後の砦」になると考えられています。
あの山に火をつける動画はフェイク?それとも本物?
火をもって火を制す
— ダレルタイター (@DaTa_jp) April 10, 2025
バックファイヤー
消火と言えば放水ですが……
敢えて放火し、火で火事を迎え撃つ方法もあります。
特に消火方法が限られる山火事では欠かせない消火方法となっています。
pic.twitter.com/mHlFnF3Sjb
さて、話題の動画に戻りましょう。
あの動画のシーンでは、消防隊員が火をつけている様子が映っています。
確かに、「これ、火を広げてるだけじゃ?」と思ってしまうのも無理はありません。
でも、現場での状況やその後の火の広がりを考えると、あれはバックファイアーの一環だった可能性が高いと考えられます。
実際、海外ではバックファイアーの様子を撮影した映像が多く出回っていて、今回の動画もそれと非常によく似ているんです。
動画の一部だけを切り取って見ると、誤解が生まれやすいのも事実。
でも、背景を知れば「なるほど、そんな戦い方もあるのか」と納得できるはずです。
まとめ!火を消すために火を使うプロの知恵
- バックファイアーとは、火事の進行方向にあえて火をつけて、燃料を絶ち、火を止める消火法
- 訓練を受けた専門家のみが、安全な条件で行う
- 山火事の多い国では一般的な方法で、成功例も多数
- 今回のXで話題の動画も、その一環である可能性が高い
「火を消すために火を使う」なんて、ちょっと不思議で大胆な方法。
でも、それこそが自然の猛威に立ち向かうための人間の知恵でもあります。
バックファイアーは、完璧な方法ではありません。
でも、ただ放水するだけでは太刀打ちできない巨大な山火事と戦うための、数少ない有効な手段のひとつなんです。
今回の動画を見て「なんで火つけてるの!?」と思った方も、
このブログを読んでちょっとでも納得していただけたら嬉しいです。